レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】
@mamiyakoi_hibik響だよ。恋ってなんだろうね。 ※注意 オリジナル設定のなり垢です。百合とキャラブレには注意。 何かあれば(@102goma)まで。 返信は全手動。リプをするとお酒を勧めてくるよ。反映は出来てないが完走済み。アイコンは(https://t.co/GSkBOXjtpW)から。まとめはLinkへ
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日付上ではいよいよ明日だね きちんと眠れているかい? 明日の夜もまた流すだろうけど 砲雷撃戦よーい!へー13 で私たちの本が出るよ サンプルはこちらだね
「そういえば間宮にアルバイトとしている人、“私が電車を降りた時に案内してくれた人”と、そっくりなんです」 「「っ!!」」 時が止まった。いや、止まったように思えただけなのだろう。それでもこの一言は二人に止まったと思わせるに十分なものだった。
夕張と青葉は息をのむ。ガセネタでもいい。しかし、何かしらとはいえ真実に近づいてしまうなら?青葉は高揚する。それでも夕張には悟られないように人知れず、ゆっくりと、使命という名の炎を心の隅に焼べ始めた。
「きっと、大したことはではないわ。ゆっくり話してみて」 心中をなるべく察しながら夕張は促す。それはまるで怯えている子供をあやすような。そんな安心感を持たせるものだった。 「………、はい。じゃあ…」
「見たい番組の録画ができなかった時より驚いてはないから大丈夫よ。何か気になるところでもあった?」 「はい。………、いえ!もちろん大したことはないのかもしれないんですけれど」 落ち着くように息を吐き出す伊良湖。きっと些細なことなのだと自分に言い聞かせている様に夕張は感じた。
「わわわ!びっくりしましたよ伊良湖さん」 「私も説明が欲しいわ。どうしたの?」 店の外。見送りというには少しばかり離れすぎた距離で、三人は止まった。 「ごめんなさい、少し思い出したところがありまして…」 なんとなく困惑した表情を浮かべる伊良湖。なだめるように、夕張が口を開いた。
伊良湖が促す。夕張も青葉も一瞬目を見開く。その隙に伊良湖がずいっと近づき、夕張と青葉を出口に案内した。それにつられる様に二人も足を外へと向ける。 「居酒屋のための仕込みとか、材料の在庫確認お願いしますねー!!」 「はーい。了解しました」 ふわふわとした心地よい声で彼女は返した。
「あら、そうなのですか…?響ちゃん、もう帰っちゃうの?」 あ、いや、あの…。 蜜のような甘い声を投げかけられ、視線が持っていかれる。少しばかり残念そうな表情と、潤んだ綺麗な瞳。それは一瞬で心を奪いかねないもので。 「響、今日は」 「夕張さん、青葉さん、送っていきますよ」
「青葉も新しい記事のアイディアがこうピーンと!!」 青葉もそれに続く。少しわざとらしいが、二人には気づかれるまい。夕張も言っているし、ここはまた…。
「青葉もちょっと考えたい事ありますしねぇー。」 エプロンを結んだあと、甘味処間宮のお仕事について、彼女と伊良湖が打ち合わせをしている。談笑も含めて、長くなりそうだった。 「伊良湖」 夕張が、話を遮る。 「どうかしました?」 「私たちちょっと用事できたから戻るわ」
「青葉、響。解散よ解散」 夕張!?肝心の間宮さんにまだ…むぐっ! 「人が多くなりすぎても考え物でしょ。私たちはそこまで関係者を増やしたくないんだし」 夕張が響を見ずに呟く。 少し考えたが、ごもっともだ。何より彼女を巻き込むのは、本意ではない。 青葉、それでいいかい?
っ!!青葉、後でどうなるか覚悟しておくことだね…。 「へーん、そこまで夕張さんよりは怖くないですしー」 喧嘩に発展しない程度の小突き合いをする二人を横目に、夕張は考える。 (珍しすぎる電車、誰だかわからないけど、案内をした女の人。それに響の“日常的に使っていた”という発言…。)
「ほら、エプロンの蝶結び甘いですよ?」 伊良湖が立って、彼女のエプロンを結び直す。 「あら、仲良し」 響の方をちらりと見ながら青葉がこれ見よがしに溢す。 私は関係ないだろう!?何なんだいその視線は! ムキになって何となく反論する。 「べっつに青葉は、響さんには言ってませんけどぉ」
「しかも響ちゃんまで…!ごめんなさい、話し声がしたから早く出なきゃって………。お茶!持ってきますね」 「もうー、お茶は出しましたよ?そそっかしいんですから~」 伊良湖がしょうがないなぁと笑顔を向ける。 「恥ずかしいこと言わないでください…。い、いつもは違うんですから!」
「女の人…?」 「はい。うっすらしか顔を覚えてないですけれど…」 考え込む三人。ぐるぐる回る思考を遮るように伊良湖の後方でガチャリと、音がした。 「おはようございますー。あっ、ごめんなさいっ!お取込み中でしたか………?」 息が詰まる。そこにいたのは紛れもなく、私の想い人。
「ごめんなさい、急にこんな話を目の前でされても意味が分からなかったわね」 「はい…。とりあえず私はうつらうつら電車に乗ってここに着きました。そこで女の人に会って、右も左も分からない私に、ここはどこかとか色々懇切丁寧に教えて貰ったんです」 おずおずと喋る伊良湖の話に耳を傾ける。
「ごめんなさい、なんだかお邪魔して場を搔き乱してしまったような気がして。伊良湖、余計な事言いましたか…?」 泣きそうな伊良湖に三人がハッとなる。その動揺は響の心を少しだけ本題からそらさせた。 伊良湖、ごめんね。違うんだ、私たちは喧嘩しているわけでもなくて、えっと………。
「“電車を日常生活で使っていた”なんて、響さん、貴女……」 「“どこの世界で生きてきた”の?」 青葉を遮り、夕張が言葉の槍を刺す。 「夕張さん!?これはダメです、私が言わないと…」 「間違えていた時の重みに貴女は耐えられたの?」 水を打ったような沈黙。そこにすごすごとあげられる手。
…あぁ、きっとそうなんだろうね。 皮膚が粟立つ。覚悟とは別に体は反応する様だ。受け止める覚悟はしていた筈。そうだろう、ねぇ、私。 「それでも聞きたいですか」 聞かなきゃ進まないんだろう。それなら、聞くよ。 自分の心臓辺りを痛い位、ぐっと握る。そうでもしないと、聞いてられない。
「………、仮定ですよね。きっとこれは全て仮定の話で終わる。終わるものですよね…」 どことなく、青葉の顔色が悪かった。察しているのか、夕張の顔も暗い。嫌な胸騒ぎはした。それ以上言われたら自分が壊れてしまうような。 「響さん、きっと青葉はあなたを動揺させることを言ってしまいます。」
「響、貴女はどこで乗ったの?」 分からない。でも、電車というものは知っているし、日常生活で普通に使うものだとは、認識しているよ。 青葉が、がりがりとメモに文字を書き記す。頭の中の思考をすべて吐き出してしまうかのような勢いで。 「………」 不意に、青葉のペンが止まった。
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